相談内容｜私は高校で文系選択をしたのですが、文系からではなれない職業はあるのでしょうか？　

回答

　まず最初に、高校時代の文理選択が原因となって就けない職業が出てくる、ということはほとんどありません。職業選択にあたって重要となるのは、高校卒業後にどの学校、どの学部に進むのか、ですので、進学先を決定するまでにコース修正をする事ができれば問題はないのです。

　その代わりというわけではありませんが、大学・短大や、専門学校に進んでしまうと進路変更は難しくなります。ですので、高校時代の内にできるだけ目指す職業を固めておくようにして、それに適した進路を選んでみると良いでしょう。

　「文系ではなれない職業」ですが、上記のような状況がありますので、ここでは「大学の文系学部からでは就けない（就くのが難しい）職業」と読み替えて回答させていただきます。

　大学の文系学部からでは就けない職業ですが、まず挙げられるのは、文系学部では取得できない特別な免許が必要とされる職業となります。この条件に当てはまる職業としては、医師や看護師、薬剤師などの医療系の職業、栄養士、建築士、理系教科の教師、美容師などが代表的な職業となるでしょう。

　ただ、医療系の職業や栄養士、教師はともかく、美容師であれば、専門学校とのダブルスクールをする事によって目指せる場合がありますし、建築士も芸術系の建築学科から目指すという方法があります。それを考えれば、職業によっては絶対に文系学部からでは目指せないとは言い切れない場合もあります。

　次に挙げられるのは、文系学部では学べない特別な知識や技術が必要とされる職業です。

　この条件に当てはまる職業としては、企業などの研究開発職やプログラマ、エンジニア、デザイナー、パタンナーなどが挙げられます。

　ただ、こちらの場合は、免許ではなく、技術の有無が問題となりますので、ダブルスクールや独学で技術を修得していけば目指せる場合もあります。実際、私も大学の文系学部出身ですが、独学で絵の勉強をして、グラフィックデザイナーになることができました。

　ただし、研究開発職の場合は、採用条件が理系の大学院卒業、となっている場合がほとんどですので、文系学部から目指すことはほぼ不可能だと思われます。

　文系学部からの方が就きやすい職業は、上記の内容を裏返したものとなります。つまり、文系学部の方が免許や技術を身につけやすい職業ということになります。

　例えば、裁判官や弁護士、検事などの法曹関係者、公認会計士や税理士、公務員などは、文系学部からの方が目指しやすくなると思われます。また、文系教科の教師や、小学校教諭、幼稚園教諭、保育士などの免許も文系学部（幼児教育科など）で取得できます。

　身長制限や視力制限がある職業ですが、私が知っている限りでは、パイロットやフライトアテンダント、警察官、自衛官、消防官などの一部の公務員、プロスポーツ選手、プロスポーツの審判員などが挙げられます。また、航空管制官のような視力が重要となる職業では、視力制限のみがあるようです。

　この辺りについては、職業について色々と調べていくと自然と分かってくると思いますので、今の内に仕事調べをして、世の中にどのような職業があるのかを確認しておくと良いでしょう。

2009年05月更新